副業の時間の作り方|忙しい会社員が週5〜10時間を無理なく確保する設計

忙しい会社員が無理なく週5から10時間の副業時間を確保する設計を伝えるアイキャッチ。
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副業を始めようと考えたとき、多くの方が最初につまずくのが時間の確保です。

本業の仕事や家事に追われている中で新しい時間を無理に足そうとすると、睡眠や休息が削られ、体調や本業のパフォーマンスを損なう原因になります。実態として、副業に取り組んでいる会社員が充てている時間は週5〜10時間程度が現実的な目安です。

この記事では、公的統計や実態調査のデータを踏まえ、睡眠を削らずに今ある時間を置き換える手順と、生活リズムに合わせた時間の型を解説します。

目次

この記事の結論

  • 副業にかける時間は月平均23.0時間であり、最初から週20時間などの長時間を確保する必要はありません。
  • 時間を増やすのではなく、目的のないスマートフォン利用や移動時間を「置き換える」設計が継続の鍵です。
  • 朝型、夜型、スキマ型、週末型の4つから、自身の体力や生活環境に合う型を一つ選びます。
  • 睡眠時間の削減や、本業の残業と副業の合計が月45時間を超える過重労働は避けるべき基準です。
  • 時間の確保を始める前に、勤め先の就業規則と労働契約の規定を必ず確認してください。

副業にかける時間の現状と目安

「副業をしたいが時間がない」という悩みは、多くの働く人に共通しています。

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」によると、非農林業従事者のうち副業がある人は305万人であるのに対し、追加で仕事をしたいと希望する「追加就業希望者」は493万人存在します。
特に正規雇用者の副業者比率は2.5%にとどまっており、フルタイムで働く会社員にとって時間の確保が高いハードルになっている現状がうかがえます。

一方で、実際に副業を行っている人たちがどれほどの時間を費やしているかを知ることは、現実的な目標を立てる上で重要です。
パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、正社員の副業実施率は11.0%であり、1カ月あたりの副業時間は平均23.0時間でした。
また、リクルート IRPリサーチセンター「フルタイム就業者の副業・兼業動向」の分析では、本業にフルタイムで従事しながら継続的に副業・兼業を行っている人のうち、週8時間より長い時間を充てている人は5.7%にとどまり、全体の週平均は約8時間と報告されています。

これらのデータから、無理なく始められる時間の目安は次のように整理できます。

  • 週5時間:リサーチやスキルの習得、小規模な発信など小さく始める段階
  • 週10時間:制作作業や案件対応を一定のペースで進める段階
  • 週10時間超:本業の繁忙度や健康状態を見極めながら慎重に検討する段階

最初から長時間を目標にするのではなく、まずは週5〜10時間程度を継続できる枠として確保することが大切です。

時間は捻出するのではなく置き換える

会社員の1日は、睡眠、仕事、通勤、食事、家事などの固定的な活動ですでに大半が占められています。
新しい活動をそのまま生活へ足そうとすると、削られやすいのが睡眠や健康の回復に充てる時間です。
副業を長く続けるためには、時間を無理に生み出すのではなく、既存の「可変時間」を副業の枠へ置き換える発想が必要になります。
総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」によると、10歳以上の自由時間におけるスマートフォン・パソコンなどの使用時間は週全体で1日平均2時間49分と集計されています。
これは全員が無駄な時間を過ごしているという意味ではありませんが、日常の可変時間の中に置き換え可能な余白が存在することを示しています。

具体的には、次のような時間を置き換えの対象として検討します。

  • なんとなく閲覧しているSNSや動画の視聴時間
  • 電車移動や人を待っている時間
  • 目的の曖昧な残業や、断れる付き合いの時間

例えば、1日のスマートフォン利用時間のうち30分を学習や作業に充てるだけで、週に約3.5時間の副業時間が生まれます。すべてをストイックに断つのではなく、可変時間の一部を計画的に副業枠へ振り替えることが現実的なアプローチです。

自分に合う副業時間の4つの型

時間の使い方は、個人の生活環境や職務内容、体力によって適した形が異なります。
どれが優れているかではなく、現在の生活リズムに無理なく組み込める型を選ぶことが重要です。

型時間帯の目安向いている人向いていない人適した作業内容
朝型出勤前の20〜60分夜に疲労が溜まりやすい人、家族が起きる前の静かな環境がある人朝が極端に苦手な人、慢性的な睡眠不足の人企画立案、執筆、学習など集中を要する作業
夜型帰宅後の30〜60分夜型のリズムが合っている人、帰宅後に一定の気力が残る人育児で夜の時間が不定期な人、残業が多い人連絡業務、事務作業、軽微な修正作業
スキマ型通勤中や昼休みの10〜20分×複数まとまった時間を確保しにくい人、移動が多い人思考を細かく切り替えるのが苦手な人情報収集、構成案の作成、短い下書き
週末型土日のいずれか2〜4時間平日は本業で手一杯な人、まとまった作業が必要な人週末に家族や個人的な予定が毎週詰まっている人制作物の完成、長時間のコンテンツ作成

自身の状況に合わせて1つの型を主軸にし、必要に応じて週末型やスキマ型を補助として組み合わせると進めやすくなります。

1週間で時間を確保する4つの手順

無理のない副業時間を生活に組み込むための具体的な手順を解説します。

1. 現在の生活時間を可視化する

まずは1週間の中で自分が何に時間を使っているかを把握します。
平日と休日について、起床から就寝までの大まかな行動を書き出してください。
睡眠、勤務、通勤、食事、入浴、家事などの固定時間を先に埋め、余白となっている可変時間を特定します。

2. 置き換える枠を1つだけ決める

最初から複数の枠を作ろうとすると挫折しやすくなります。
「平日の通勤電車では読書やリサーチをする」「水曜日の夜21時から30分を作業時間に充てる」など、置き換える枠を1つだけ選んでください。決めた枠はスマートフォンのカレンダーや手帳に予定としてあらかじめ書き込んでおきます。

3. 週単位の合計時間で管理する

日々の業務には波があるため、毎日のノルマを固定すると本業の残業が発生した際に破綻します。
例えば週5時間を目標とする場合、平日に30分ずつ行い(計2.5時間)、週末に2.5時間を充てるなど、週全体の合計で柔軟に調整します。繁忙期には「今週はスキマ時間のリサーチのみで合計2時間にする」といった調整を取り入れることで、途切れずに継続できます。

4. 作業を15〜30分の単位に分解する

まとまった時間がないと作業が進まない状態を避けるため、タスクを小さく分割します。
例えば「記事を書く」という作業であれば、次のように分けられます。

  • 情報収集とメモ作成:15分
  • 見出し構成の作成:20分
  • 本文の下書き:30分を2回
  • 全体の見直しと推敲:20分

作業単位を細かくしておけば、15分のスキマ時間でも迷わず着手できるようになります。

やってはいけない時間の作り方

副業の時間を確保するにあたり、避けるべき明確な注意点があります。

睡眠時間を削って作業する

睡眠時間を削って副業を行う方法は、短期的には作業が進むように見えても長続きしません。
寝不足による日中の集中力低下は本業の成果を落とし、結果として本業の残業が増える悪循環を招きます。
個人の公開体験記(例えば合同会社QUESTのてんちょー氏による発信)においても、深夜作業を試みたものの体調不良と本業への悪影響から3日で断念し、睡眠を削らない設計へ転換した事例が報告されています。

睡眠時間は疲労回復と健康維持のための基盤であり、削減の対象にしてはいけません。

申告のない長時間労働を重ねる

副業と本業を合算した労働時間が過度に長くなると、健康被害のリスクが急激に高まります。
前述のパーソル総合研究所の調査では、副業によって過重労働となり、本業に支障が出たり体調を崩したりした経験を持つ人が26.9%に上ることが示されています。同調査では、雇用契約による副業者のうち、本業の残業時間と副業時間を合算して月45時間以上の時間外労働となっている割合が3割を超えており、その半数以上が本業先に副業を申告していない実態も浮き彫りになっています。体調を崩して本業を休職することになれば、キャリアにも経済面にも大きな損失となります。

自身の労働時間と健康状態は、客観的に把握し続ける必要があります。

行動を起こす前の確認事項

時間の使い方を決めるのと並行して、労務管理や法的なルールを確認しておく必要があります。
厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット(令和7年3月31日改定版)では、労働者が副業を行う際の留意点として次の事項が整理されています。

  • 就業規則の確認:労働時間以外の利用は原則として自由ですが、労務提供上の支障、企業秘密の漏洩、競業避止義務違反、企業の信用毀損のいずれかに該当する場合は制限されることがあります。事前の届出や申請が必要な企業も多いため、必ず自社の規程を確認してください。
  • 労働時間の通算:副業先と雇用契約を結ぶ場合(パートやアルバイト等)は、労働基準法に基づき双方の労働時間が通算されます。時間外労働の上限規制(単月100時間未満、複数月平均80時間以内など)を守る必要があります。
  • 自己による健康管理:業務委託やフリーランスとしての副業は労働基準法の労働時間通算の対象外ですが、過重労働にならないよう自己管理が求められます。厚生労働省は、労働者が自ら労働時間や健康状態を記録・管理できる無料の「マルチジョブ健康管理ツール」を提供しています。
  • 税務上の手続き:副業で得た所得が年間20万円を超える場合など、確定申告が必要になる基準が存在します。

よくある質問

Q. 残業が多い時期でも副業時間を確保すべきですか?

本業の残業が多い時期は、無理に副業時間を確保せず、休養や本業の完遂を最優先にしてください。
過重労働で健康を害しては本末転倒です。繁忙期は「インプットの読書を週に1時間だけ行う」など活動量を意図的に落とし、落ち着いた段階でペースを戻す判断が賢明です。

Q. スキマ時間だけで副業を進めることは可能ですか?

作業内容を細かく分解できる職種であれば十分に可能です。
スマートフォンのメモ機能を使った構成案作成、メールの返信、情報収集などは10〜15分の単位で進められます。
ただし、まとまった思考や制作環境を要する業務をスキマ時間だけで完結させるのは難しいため、業務の性質に合わせた時間の使い分けが必要です。

Q. 朝型と夜型ではどちらが副業に向いていますか?

本人の生活リズムと業務内容によって異なります。
出勤前の朝は突発的な予定が入りにくく集中しやすい利点がありますが、睡眠時間を削ってまで早起きをする必要はありません。夜に一定の気力が保てる場合は夜型の枠を作り、疲労が蓄積している場合は朝型や週末型を検討するなど、無理のない方を選択してください。

Q. 週何時間作業すれば収入につながりますか?

作業時間と副業収入は必ずしも正比例しません。
パーソル総合研究所の調査における副業時給は平均3,617円、中央値2,083円と幅広く分布しており、業務内容や提供価値によって得られる対価は大きく異なります。
投じる時間をいたずらに増やすことよりも、持続可能な時間枠の中で提供価値を高めていく視点が大切です。

まとめ

副業の時間を生み出す本質は、日々の生活を無理に切り詰めることではなく、今ある可変時間を見直して置き換えることにあります。

まずは今夜、ご自身の1日の行動を紙やメモに書き出し、置き換えられそうな30分の枠がどこにあるかを確認することから始めてみてください。

参考資料・出典

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この記事を書いた人

人事系コンサルタントとして20年、企業組織の課題解決や個人のキャリア構築に携わる。個人投資家としても20年の経験を持ち、ファイナンシャル・プランナー(FP)、知的財産管理技能士の資格を保有。
ライフアセットラボでは、「会社に依存しない個人の自立」を支援する情報を発信。人事コンサルティングで培った分析力と、投資経験による長期的な視点を生かし、副業、キャリア、資産形成、健康を人生の資産として捉え、多面的に考察します。一次情報と実体験を重視し、メリットだけでなく注意点も含め、読者が自分に合った選択を冷静に判断できる情報提供を目指しています。

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